ミドルパワーで世界経済を支える「オーストラリア」
【オーストラリア連邦】
首都 キャンベラ
面積 7,692,024k㎡
通貨 オーストラリアドル(AUD)
言語 英語
人口 2,378万人(2015年)
GDP 1.34兆ドル(2015年)
女王 エリザベス2世
総督 ピーター・コスグローブ
首相 マルコム・ターンブル
豊かな天然資源を活かして、骨太経済を築く
世界で唯一、一国だけで成り立つ大陸でありながら、多民族国家として発展してきたオーストラリア。他の大陸から孤立した南太平洋に位置する世界第6位の広さを誇る国土には、コアラやカンガルーなど愛らしい生き物たちに、エアーズロックなどの素晴らしい自然、そして何より石炭、石油、ウラン、鉄鉱石など大変恵まれた天然資源を有しているのが特徴です。この豊富な資源の最大限の活用と迅速な経済政策の転換により、オーストラリアは2008年の世界的経済危機の際にも深刻な打撃を回避しました。2014年の国民一人当たりの所得は世界第5位、また、同国の実質GDPの成長率は実に24年にも渡ってプラス成長を続け、盤石な経済を築いています。大国でも小国でもないミドルパワー国家として独自の地位を確立し、世界経済を支えてきたオーストラリア。安定のオーストラリア不動産の底力を探っていきましょう。
植民地国家からアジア太平洋を牽引する連邦国家へ
▲総貿易額と主要貿易相手国一覧(2011/2012年度 外務省統計局)
▲主要貿易品目(2011/2012年度 外務省統計局)
▲005年から2012年までのオーストラリアの実質GDP成長率の推移。リーマンショック直後でさえ、1.4 %プラス成長を果たしている。
2014年度、オーストラリアの国民一人当たりの所得は世界第5位。20年以上にも渡って、実質GDPの成長率がプラス成長を続けている同国は、先進国で最も裕福な国のひとつと言えましょう。その豊かさの基盤にあるのは、何と言っても豊富な天然資源。ウランの確認埋蔵量は世界一位、その他にも、石炭、石油、ガス、鉱石と多岐多量な天然資源を保有しています。18世紀末にイギリスの植民地として国家の歴史がスタートしたオーストラリアは、複雑な道のりを経て国際社会で独自の地位を築いてきました。4万年にも渡ってオセアニア大陸に暮らしていた先住民との対立、距離的に離れていながらも同じアングロ・サクソンである欧州との結びつきを保ちながら、フランスの南太平洋での核実験の際には猛抗議するという強い意志も持ち合わせています。第二次世界大戦以降は、南太平洋の先進国という立地と立場から、アジア諸国との付き合いを重視。いち早く、多国間での貿易の自由化を呼びかけ、APECの設立には日本と共に立役者となったのです。現在のオーストラリアの主要貿易国が、第一位・中国、二位・日本、三位・アメリカと示すように、アメリカを主軸にアジアとの貿易を優先にするという盤石な経済体制を築いています。
恵まれた住宅事情。移民による人口増加で大都市は巨大化
▲人口460万人超の広大なシドニーの街並み。市民の30%以上が海外出生者の多民族都市。
▲オーストラリアの都市部郊外の平均的な住宅。ファミリー層には庭付き一戸建てが高い人気。
7,692,024k㎡という広大な国土のオーストラリアの地理的条件は多様です。その国土の平地占有率は世界一。四方が海に覆われた凹凸の少ない大陸の西側は、寒暖の差が激しい乾燥地帯が多く、一方で東側は温暖湿潤気候で人の居住に適しています。シドニー、メルボルン、ブリスベンといった大都市はすべてこの東南の沿岸地域に位置し、国土のわずか1%に人口の80%以上が集中しています。また、大陸ならでは豊かな住宅事情も大きな特徴。都市部でもマンションよりも戸建てが好まれ、広さは平均200~300坪、プール付きも当たり前。この恵まれた住宅事情は、オーストラリアがリタイヤメント先として人気が高い要因のひとつです。近年、オーストラリアでは移民による人口の流入とともに戸建て住宅も増加し、大都市は巨大化しているのです。
価格沸騰の豪州不動産。狙い目は第三の都市・ブリスベン
▲オーストラリア主要五大都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース)の住宅価格の推移。
▲1994年から2014年までの住宅ローン金利の推移。直近でリーマンショック時よりも低い金利を記録している。
2008年8月、オーストラリア政府は政策金利を7.25%から1960年以降同国の最低水準である3.0%まで引き下げました。アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界的経済危機を受けて、政策金利の引き下げ、住宅取得支援などいち早く対応。これらの迅速な対策と、アジア新興国への輸出増加が追い風となって、他の欧米諸国のような大きな打撃を回避したのです。オーストラリア経済が堅調に成長を続ける現在も、住宅ローンの金利は、低金利を更新し続けています。加えて、積極的に移民の受け入れを行ってきた同国の人口は、着実に増加中。政策の調整により揺るやかながらも、2020年までに先進国の中で最も増加すると予想されています。
低金利を更新し続ける住宅ローン、増加する人口と、この2つの要因を背景に主要都市の不動産価格は高値を記録しています。外国人投資家から人気が高いシドニー、メルボルンは前年と比較して、それぞれ11.85 %、5.10%も不動産価格が上昇し、そろそろ頭打ちになることも予想されます。2都市集中化が顕著に見られる一方で、オーストラリア第三都市であるブリスベンの上昇率は2.70%とまだそれほど高騰しておりません。人口と求職の増加に伴い、住宅価格・賃料が共に上昇し、伸び代がある次の市場として注目したいところです。
群を抜いた市場の透明性で、投資家の高い信頼を勝ち取る
▲日本とは異なり、湿度の低く、さわやかな気候。その過ごしやすさから、ロングステイ先として高い人気を維持している。
▲オーストラリアを代表する動物・コアラ。厳しくも豊かな自然、愛らしい動物に魅せられる外国人は多い。
現在、オーストラリアの不動産市場が活性化している大きな要因のひとつとして、外国人の不動産開発・投資に対しての規制が大幅に緩和されたこともあげられます。昨年、大和ハウス工業がシドニー近郊に分譲マンションと商業施設の開発を発表するなど、日本企業や日本人が多いのも特徴です。外国人投資家からの人気も高いオーストラリア不動産市場の特徴は、何と言ってもその透明性の高さです。まず、物件を探す際に日系企業や日本人社員が多いこと。過去の不動産の取引事例が開示されているので、適正価格で検討することが可能。売買取引は必ず弁護士を通じて行われ、投資物件を担保に現地金融機関から融資も受けられます。さらに、不動産購入代金は信託口座を介するなど、投資家を守る法律が隅々まで行き届いています。南太平洋の孤立した植民地国家から、盤石なミドルパワー国家を築いてきたオーストラリア。他国の経済が失速してもそれに振り回されることもなく、持てる資源と迅速な政策、手堅い外交で、オーストラリア経済は堅調に成長を続けると考えられます。
▲オーストラリア主要五大都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース)の住宅価格の推移。
▲1994年から2014年までの住宅ローン金利の推移。直近でリーマンショック時よりも低い金利を記録している。
2008年8月、オーストラリア政府は政策金利を7.25%から1960年以降同国の最低水準である3.0%まで引き下げました。アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界的経済危機を受けて、政策金利の引き下げ、住宅取得支援などいち早く対応。これらの迅速な対策と、アジア新興国への輸出増加が追い風となって、他の欧米諸国のような大きな打撃を回避したのです。オーストラリア経済が堅調に成長を続ける現在も、住宅ローンの金利は、低金利を更新し続けています。加えて、積極的に移民の受け入れを行ってきた同国の人口は、着実に増加中。政策の調整により揺るやかながらも、2020年までに先進国の中で最も増加すると予想されています。
低金利を更新し続ける住宅ローン、増加する人口と、この2つの要因を背景に主要都市の不動産価格は高値を記録しています。外国人投資家から人気が高いシドニー、メルボルンは前年と比較して、それぞれ11.85 %、5.10%も不動産価格が上昇し、そろそろ頭打ちになることも予想されます。2都市集中化が顕著に見られる一方で、オーストラリア第三都市であるブリスベンの上昇率は2.70%とまだそれほど高騰しておりません。人口と求職の増加に伴い、住宅価格・賃料が共に上昇し、伸び代がある次の市場として注目したいところです。
▲日本とは異なり、湿度の低く、さわやかな気候。その過ごしやすさから、ロングステイ先として高い人気を維持している。
▲オーストラリアを代表する動物・コアラ。厳しくも豊かな自然、愛らしい動物に魅せられる外国人は多い。
現在、オーストラリアの不動産市場が活性化している大きな要因のひとつとして、外国人の不動産開発・投資に対しての規制が大幅に緩和されたこともあげられます。昨年、大和ハウス工業がシドニー近郊に分譲マンションと商業施設の開発を発表するなど、日本企業や日本人が多いのも特徴です。外国人投資家からの人気も高いオーストラリア不動産市場の特徴は、何と言ってもその透明性の高さです。まず、物件を探す際に日系企業や日本人社員が多いこと。過去の不動産の取引事例が開示されているので、適正価格で検討することが可能。売買取引は必ず弁護士を通じて行われ、投資物件を担保に現地金融機関から融資も受けられます。さらに、不動産購入代金は信託口座を介するなど、投資家を守る法律が隅々まで行き届いています。南太平洋の孤立した植民地国家から、盤石なミドルパワー国家を築いてきたオーストラリア。他国の経済が失速してもそれに振り回されることもなく、持てる資源と迅速な政策、手堅い外交で、オーストラリア経済は堅調に成長を続けると考えられます。